スロット怖い話4

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なんとなく暇つぶし的に書き始めたスロット怖い話シリーズが意外と反響がいいので、カテゴリ分けしてみました（笑）
まだまだネタはあるんでね。


数年前　S県A店とT店


AチェーンとTチェーンはS県ではライバル的存在だった。

昔から主に北の地域をTチェーン、南の地域をAチェーンが中心に出店している感じでバランスが取れていた。


均衡が破れ始めたのは今から10年ほど前。

Aチェーンが店舗の大型化やゲームセンターなどとの併設を推し進めて、総合アミューズメント施設のような店舗が増え始めた。

それが時代にマッチしたのかメキメキと力をつけ、ついには北のTチェーンのお膝元の某市にまで新装開店することとなった。


場所は国道沿いだが田舎なので見晴らしのいいところ。
5km圏内にはTチェーンの店舗もいくつかあるものの、完成すれば間違いなく地域最大規模の店。



新装開店当日早朝、俺は仲間とともに車でそのA店に向かったのだが何故か見付からない。

おかしい。
工事中に一度通った時はたしかにすぐに建設中の建物を見付けることが出来たのに……

ようやく店舗入口を見付けることが出来たのは、国道を何往復もした後だった。


なぜ見付からなかったか？

それはとてつもない石垣が、国道からその店への視線を遮るようにまわりの空き地に配置されていたからである。


自分達の庭を荒らしに来たAチェーンに怒り狂ったTチェーン幹部が、なんと周りの土地を全て借り上げ、角度を計算して石垣を築いたらしい。

超金持ちの超ばかばかしい喧嘩……情けないやらあほらしいやら、しばしその見事な石垣に見とれたものである。



Tチェーンはそれから数年で倒産した。